相続放棄
依頼者50代女性

長年疎遠であった叔母の死亡後に、叔母が地方に不動産を所有していたことを理由に相続放棄手続きを行った事例

亡くなられた方 叔母
相続人 姪(依頼者)
相続(遺産) 土地

ご依頼の背景

依頼者の自宅に、数年前に死亡した叔母所有の不動産の固定資産税請求書が到着し、そのことをきっかけとして依頼者は叔母の不動産を単独で相続したことを知りました。依頼者は、地方にある叔母の不動産を管理することができないことを主たる理由として、叔母の財産を相続放棄することはできないか、とのことで弁護士に相談するに至った。なお、依頼者は叔母と数回程度しか会ったことがなく、20年以上疎遠となっていた。

依頼人の主張

依頼者としては、不動産の固定資産税を毎年支払っていくことは困難であること、及び対象となる不動産が地方にあり、かつ広大な敷地面積であったことから到底自身で管理することができないとのことで、相続放棄を希望した。

サポートの流れ

叔母が死亡してからすでに数年以上経過し、依頼者も叔母が死亡したこと自体は知っていた。もっとも、依頼者は、叔母が不動産を所有していたこと自体は知らず、不動産の固定資産税の請求書が自宅に到着した時点で初めてそのことを知った。そのため、弁護士としては、依頼者の自宅に固定資産税の請求書が到着した時点を基準に、そこから起算して3か月以内に相続放棄手続きを行うべく、必要な書面を作成した。なお、叔母の相続放棄手続きを行うに当たっては、叔母の出生から死亡までの全ての戸籍謄本や叔母の両親が死亡したことがわかる戸籍謄本等が必要となるため、早急に戸籍謄本の収集作業を行った。

結果

裁判所に対し相続放棄の申述を行ってから1か月程度で無事依頼者の相続放棄の申述が受理された。今回の相続放棄手続きのポイントは、市役所からの固定資産税の請求書を土台として相続放棄手続きを行った点にある。市役所からの請求書という客観的な資料を基礎としたうえで相続放棄を行うことにより、より説得的で盤石な書類を作成することができたためである(もちろん、客観的な資料がなくても相続放棄手続きを行うことは可能)。なお、相続放棄手続きを行っても、不動産の管理責任については相続人になおも残り続けるため、相続放棄が認められたからといって100%の責任から逃れることができたと考えることは危険である(そうはいっても、不動産の管理責任について過度に心配する必要もない)。

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