遺言書作成
依頼者80代男性

内縁の配偶者に全ての財産を相続させ、遺留分権利者に遺留分を放棄してもらった事例

亡くなられた方 内縁の夫
相続人 内縁の妻
相続(遺産) 土地、預貯金

ご依頼の背景

依頼者は、数十年前に配偶者と離婚し、その配偶者との間には子が2人いた。相談当時、遺言者は、20年程度内縁関係にある配偶者とともに生活していたが、内縁の配偶者の将来を心配し、遺言書を作成することとなった。

依頼人の主張

依頼者は、自身の介護を献身的に行ってくれる内縁の配偶者に対して、全ての財産を相続させたいとの意向があった。そのため、子2人への遺留分を一切考慮する必要はないとして、内縁の配偶者に全ての財産を相続させる旨の公正証書遺言を作成した。その際、第三者である弁護士が遺言執行者となり不動産の相続登記手続きや銀行口座解約手続き等の相続手続きを行うとともに、子2人に対して、依頼者の意向や想いを直接伝えてほしいとの希望を受け、依頼者から手紙を預かった。

サポートの流れ

依頼者は遺言書を作成してから2年程度で死亡したため、その後すぐに弁護士が遺言執行者に就職することとなった。そして、依頼者の希望通り、子2人と直接会い、その場で依頼者から預かっていた手紙を読むことで依頼者の希望や想いを伝えた。子2人は、依頼者が遺言書を作成した経緯や内縁の配偶者が全ての財産を取得することについて納得した。その結果、子2人は内縁の配偶者に対して、遺留分の請求を行うことはなかったため、依頼者の希望通りの結果に導くことができた。

結果及び解決のポイント

今回の遺言書作成及び遺言執行業務のポイントとしては、弁護士が遺言執行業務を行う中で、子2人に対し、直接依頼者の想いを伝えることができた点にあると考える。公正証書遺言を作成する際には、遺言者から遺留分権利者に対し、遺留分を請求しないでほしい旨の付言事項を記載することが度々ある。もっとも、遺言に記載する付言事項のみでは、かえって遺留分権利者の感情を逆撫ですることが珍しくないため、本件では遺言執行者が直接遺留分権利者に会い、遺言者から遺留分権利者に対する手紙を代読することで、遺留分権利者の納得を得ることができた代表的な事例となった。

※電話相談、オンライン相談も可能です(日時のご予約が必要です。)お気軽にお問い合わせください。