その他
依頼者60代女性

相続放棄を検討していたが、不動産の団体信用生命保険が認められ、不動産を相続することとなった事例

亡くなられた方 長男
相続人 母親
相続(遺産) 不動産

ご依頼の背景

依頼者は、被相続人(長男)の母親であるが、被相続人には借金が1,500万円程度あり、ローンにより購入したマンションがあった。依頼者としては、借金1,500万円及び不動産のローンを支払うことができないとして、自身で相続放棄の準備を行っていた。もっとも、自身で戸籍謄本を全て取得することが困難であるとして、当事務所弁護士に相談のうえ、相続放棄手続きによるべきか、被相続人の不動産を相続するべきかの再検討を行った。

依頼人の主張

依頼者としては、被相続人の相続放棄を行うことにより、住宅ローンの返済義務を免れることを希望した。一方で、住宅ローンを返済することなく、相続することができるのであれば被相続人の不動産の相続を希望した。

サポートの流れ

まずは、被相続人の自宅に到着している郵送物や被相続人の信用情報(CIC及びJICC)を確認することで被相続人に住宅ローン以外の債務がないか確認した。また、不動産のローンを組んでいた銀行に問い合わせを行い、団体信用生命保険の適用があるかを調査した。その結果、被相続人の債務は住宅ローン以外で200万円程度ある一方で、不動産のローンについては団体信用生命保険により免除されることが判明した。その後、対象不動産を査定したところ、2,000万円程度で売却できることがわかったため、不動産の相続を視野に入れることとした。弁護士としては、今後数か月の間にさらなる債務が見つかる可能性をも考慮し、相続放棄の期間の伸長手続きをとり、数か月様子を見ることとした。

結果

相続放棄の伸長期間数か月が経過し、200万円以上の債務が見つからなかったため、依頼者は、被相続人を相続することとなった。その後、不動産を売却のうえ、借金200万円程度を返済し、依頼者の手元に1,800万円程度残すことに成功した。今回の相続について、ポイントとなるのは、被相続人の債務や財産など相続財産を十分に調査するため、相続放棄申述の期間の伸長手続きを取っておくことやプラスの財産が大きい場合であっても、常に相続放棄の目線を持ち続けた点にあると考える。相続をした後に新たな債務が見つかる可能性や連帯保証人となっている可能性もあるため、慎重に相続するかどうかを決定していくべきである。今回の場合は被相続人の借金を全て返済しても1,800万円程度の財産が残ること、また被相続人の性格や客観的な資料を前提に連帯保証人にはなっていない可能性が高かったことから、相続を選択することとなった。

※電話相談、オンライン相談も可能です(日時のご予約が必要です。)お気軽にお問い合わせください。