遺産分割
依頼者40代男性

3,000万円以上の出金があったが、その全てを獲得した事例

亡くなられた方 父親
相続人 長男、次男
相続(遺産) -

ご依頼の背景

依頼者の父親が死亡し相続が発生したが、依頼者が父親の銀行口座の取引履歴を確認したところ、父親が入院している3か月程度の期間で2,000万円程度のお金が出金されていた。そのため、度々父親の病院に出入りしていた長男が出金した可能性が高いと考え、弁護士に相談するに至った。

依頼人の主張

依頼者としては、長男が父親の銀行口座から2,000万円を引きだしているのであれば、その使途を明確にしてもらうこと、仮に2,000万円の使途を明確にできないのであれば、出金したお金を父親の財産に戻すべきであると主張した。

サポートの流れ

まずは、弁護士の方で全ての銀行の取引明細を取得し、父親が入院してから死亡するまでに出金されている金額を逐一調査した。その結果、3つの銀行から合計で2,500万円程度出金されていることを確認した。また、長男側からは、お金を出金したのは、長男である自分ではなく父親であるとの主張がなされることを想定し、出金した取引店舗を全て調査し、兄の自宅近く(病院を出ることができなかった父親が訪れることができない場所)で出金されていることの裏付けを取った。それら調査結果を踏まえた書面を作成のうえ長男に郵送したところ、2週間程度で連絡があり、父親にかかった入院費や葬儀費用、長男が病院に看病するためにかかった宿泊費用等合計1,000万円程度出費した旨の主張がなされた。また、その他1,500万円についても、父親の介護を行ったことを理由とする寄与分の主張により全て相続する旨主張された。

結果

出金額2,500万円程度のうち、父親の入院費用及び葬儀費用の合計400万円程度については依頼者としても納得したものの、それ以外の費用については一切認められないこと及び3か月程度病院に通ったからといって到底寄与分が認められるものではないことを主張し、長男側からの主張を退け、2,100万円程度の出金額について相続財産に戻させることに成功した。今回の遺産分割協議を2か月という短期間でまとめたポイントとして、父親の入院期間を客観的な資料(病院の記録)から明確にし、また、その入院期間中に長男の自宅付近のATMから父親のお金が出金されていることを銀行の取引履歴を土台として書面を作成した点にあると考える。

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